葉祥明美術館を出ると子どもがお腹が空いた!と訴えた。もうそんな時間か。
日曜のちょうどお昼前、早くどこかに入らないとどんどん混んでしまう。建長寺の前にあるお蕎麦屋さんに急いで滑りこんだ。
あまりお昼ご飯に時間をかけずにさくっと食べたかったので、お蕎麦はちょうどいい。
鎌倉五山別館というお店。
芸能人の色紙がたくさん飾ってあったので、きっとこのあたりでは昔からある定番のお蕎麦屋さんなのだろう。
お手頃で食べやすいお蕎麦で満足満足。
無事にお昼ご飯を食べ終え、次は建長寺。
夫と「でもそのまえにコーヒー1杯飲みたいよね」、となった。
ほんとはコンビニの手軽な100円コーヒーが良かったのだけど、コンビニがないので。テイクアウトのコーヒーを買える店を探して北鎌倉駅方面に少し戻った。
21号線沿いに点在するいくつかのお店の中にコーヒー300円テイクアウトとある看板を見つけて、そこで買うことにした。
さくらという小さな一軒家の喫茶店。
でもコーヒーを淹れてもらってる間に座って待っていたテラス席があまりにも気持ちが良かったので、けっきょくそこで飲んで行くことにした。
店の前の道路に面した3テーブルほどの小さなテラス席には、私たちの他に座っている人はいない。
おかげで、のんびりゆっくりできた。UCCと看板が出ていたコーヒーも美味しかったし。
家族で出かける時は、あらかじめお店を探したり調べたりしないで、こうやっていきあたりばったりで入ってみるのが楽しい。
食後のコーヒーもしっかり飲んで、次はいよいよ建長寺。
建長寺と言えば、鎌倉学園が頭に浮かぶ。
中学校の同級生が鎌倉学園高校に進学したので、あれから30年近くたった今でも建長寺に行くとその子の顔を思い出す。
当時はわからなかったけれど、今思えばなんて恵まれた場所にある学校だろう、と羨ましくなる。鎌倉五山第1位の大寺院に隣接する学校だなんて。
でも当のティーンエイジャー達は、そんなことどこ吹く風なんだろうな。
臨済宗建長寺派大本山、日本最初の禅寺。
建長寺は、「修行」というイメージが強い。
鎌倉に数ある禅寺の中でも代表格のお寺であり、実際にかつては鎌倉中の修行僧がこの道場に集まり修行をしたらしい。
北鎌倉には同じように谷戸に開かれた同じく大寺院の円覚寺があって、鎌倉にはまる前は違いがよくわからなかった。
私は正直に言えば円覚寺の方が好きだけど、建長寺が大きく立派なお寺であること変わりない。
広大な敷地。境内は風格があり、四角い雰囲気がする。変な言い方だが、男性ぽいのだ。敷地内に男子校を抱えているのに似つかわしい。完全にイメージで言ってるけど(笑)。
入山料は大人500円、小中学生200円。
さっそく仏殿にお参りする。
3メートル超えの本尊・地蔵菩薩坐像は、さすがの大きさ。奥には庭園がある。そしてもっと奥に奥に進むと、半僧坊に続く長い階段に行きあたる。
250段、ひいふう言いながら上った先が半僧坊。ここにハイキングコース側から入る人用の拝観受付がある。
さらにその上に登ると、展望台。
その見晴らしに驚く。頑張って登った甲斐があったと思える絶景。
同じ敷地内のはずだが、建長寺の伽藍がはるか遠くに見える。
眼下に連なる山々にもやがかかっている。その様子は昔の日本画に見る風景と同じで、タイムスリップしたような気分を味わえる。
心身共にリフレッシュしたところで、お次は天園ハイキングコースへ。
展望台のさらにその先が、ハイキングコースにつながっている。