家族で歩く、鎌倉遠足。
北鎌倉から天園ハイキングコースを歩いて覚園寺へ。
今日のコース
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東慶寺・葉祥明美術館
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鎌倉五山別館・建長寺
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天園ハイキングコース・覚園寺
建長寺から入った天園ハイキングコースを歩くこと約40分。
覚園寺の出口(入口)にたどり着いた。
小学3年生の娘でも、気軽に楽しめる道のりだった。
建長寺の奥から山に入り、ハイキングを少し楽しんでから覚園寺に到着、というコースは、お寺やハイキングをバランス良く楽しみたい家族連れなんかに最適だ。
途中で景勝地があったり、やぐらがあったり、なかなか変化に富んでいて退屈しないハイキングコースだと思う。
覚園寺は、鎌倉駅から向かうと鎌倉宮の前を左奥に進んで、閑静な住宅街の川沿いの道を500メートルほどまっすぐ進んだ突きあたりにある。
この一本道がまた美しい。
なかなかに歩くのだけど、この道を歩きながら、覚園寺への気持ちがますます高まってゆく。
そして天園ハイキングコースの覚園寺口は、その道沿いに。
出口からすぐに覚園寺が見える。
出入り口になっている事からも分かるように、ここもまた山裾に開かれたお寺である。
今年の大河の舞台にもなっているとおり、自然の要塞である山と海を4方に据えて無敵の土地と言われた古都鎌倉。
3方を山に囲まれた鎌倉は、本当にどの地域を歩いてもほどなく山に突きあたる。
そして谷戸に抱かれた住宅街があたりまえのように草や木や林と共存している。
覚園寺はまさに今年の大河『鎌倉殿の13人』の主人公、北条義時に由緒があるお寺。
今 覚園寺がおすすめなのには理由がある。
通常は拝観したければ寺主催のツアーに参加する必要があるのだが、今年は新型コロナの影響でツアーを中止している。
そのかわり、各々のタイミングで自由に参拝できるのだ。
お坊さんの説明を聴きながらじっくり境内を案内してもらえるのは魅力的だけど、やはり少し敷居が高くなってしまう。
いつでも自由に参拝できると時間の制約もなくなるし、私たちのような子連れにとっては気軽さも勝つ。
(ちなみに、公式HPにて2023年3月以降もこの参拝方法がデフォルトとして継続されている)
そして、拝観すれば、鎌倉に行ったら絶対見た方が良い鎌倉屈指の仏像に会える。
本当に鎌倉屈指なので、誰かと一緒に行くならまず1番に連れて行きたいのが覚園寺だ。
石段を何段か上ったところにある山門を入ると、右側の建物の入口にかけられた、白地に黒い三角が並んだ模様の暖簾が目を引く。
北条家の家紋だろうか?そのシンプルな紋様が境内の風景の中で美しく映えているのが印象的。
正面に愛染堂があり、愛染明王という仏様が祀られている。
初めて訪ねた時、ここが本堂でこのエリアだけで終わりかと勘違いしたがそうではなかった。
愛染堂の左側に受付があり、500円払って奥の境内に入れるのだ。
地図と説明書きが載った封筒にお寺の由緒が書かれたカードが入ったものをもらって、この順番でまわってください、と指示を受ける。
この一式が意外にもポップで、拝観ツアーも含めて威厳だけではない独特の茶目っ気を思わせる。
山懐の境内は、祈りの場所の透明な空気と、時間が止まったような静寂の中にある。
順番に地蔵堂、やぐら、内海家、本堂とまわる。
人々の苦しみを和らげるためにすすけてしまったと伝わる黒地蔵尊を拝んだ時は、なんだか感動してさーっと鳥肌がたった。
内海家は、300年ほど前に建てられた農家の家屋。広くて立派な家だけど、中に入るとその暗さにびっくりする。
どうやってこの暗い空間で暮らしていたのだろう、と不思議に思うほどだ。建物内から見る外の景色は、眩しいほどに明るく映る。
本堂 薬師堂のそばには住職さんが立っていて、覚園寺の歴史と仏像の説明をしてくれる。
中に入り、本尊薬師如来と両脇の菩薩像を目にすると、息を呑むほど圧倒される。
かなり大きな木造の三尊坐像からは、たっぷりとした懐の深さと迫力を感じる。
お堂も含めて室町時代以前に造られたものとのこと。
周りにはずらりと干支の神様である十二神将の像が並ぶ。
中央に立つと、本気で大きなものに包まれているような感慨を覚える。
中でも私が最も心をつかまれたのは、三尊の右奥に据えられた鞘阿弥陀仏だった。
川端康成が愛したというこの鞘阿弥陀は、こんなに優しい仏像は見たことない、と思うくらい優しい表情をしている。
このしずけさ、このやさしさ。とりこになるのも分かる。
家族に見せたくて連れてきたけど、自分自身がたっぷりと満足して門を出る。
今日も充実感に満ちた参拝だった。
やっぱり覚園寺は、行くべきだと思う。
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