「涼しい鎌倉」を求めて、報国寺を訪ねたその後は、同じ浄妙寺エリアにある 明王院 と隠れ家カフェ sawvi(ソウビ) を目指す。
今日のコース
- 報国寺
- 明王院
- sawvi
報国寺を出る頃にぽつりぽつりと降り始めた雨が、金沢街道を明王院に向かう途中には本降りになっていた。
聞いてないよー、と思いつつ、少し先のミニストップで傘を購入。この辺りまで来ると、鎌倉なのかどうかよく分からない。いや、鎌倉なのだが。
それくらい駅からは離れる。鎌倉ではどこでもコンビニがあるわけじゃないので、ラッキーだった。
傘をさして明王院へ。
明王院は、詳しい事はよく知らず訪ねた。
街の中心部から離れた場所にある、こじんまりした寺院。
幕府の鬼門除け祈願寺として、五大明王が祀られていると説明書きにある。
普段は拝観する事はできず、毎月28日の護摩法要の時のみ、一般の参拝者も本堂に入れるよう。その日に来るとまた雰囲気が違うのだろう。
この日は雨が降っていることもあり、境内はしんと静かな空気がながれていた。
茅葺き屋根の本堂も、周囲の自然や町並みを大事にした佇まいも、美しいなぁまた行きたいなぁと思わせるのびやかな風情があった。
本堂に『本院は祈願寺です』という旨の紙が貼ってあったので、家族の病気平癒を祈った。
28日の護摩法要に、また参拝できたらいいな。ピンポイントなのでなかなか難しいけれど。
明王院の後はちょうどお昼時になったので、この日のもうひとつの目的であるランチのお店へ。
明王院と金沢街道を挟んだ反対側の徒歩5分ほどの場所にあるお店へ向かう。
金沢街道を泉水橋という信号のところで鎌倉方面に向かって左に入り、突きあたった建物の脇道をさらに奥へ。
両脇が住宅街になった、細い道の奥の奥の最奥、まさに袋小路の突きあたりに潜むのが、
隠れまくった糀カフェ、sawvi。
鎌倉には冠に『隠れ家』とつくお店は多いけれど、ここまで隠れているお店はないだろう、それにしてもここまで隠れるか?と言いたくなるほど隠れている。
けれど人気があるお店なので予約してから訪れるのが手堅いと思う。
sawviは、もともとは福井のお米農家が母体で、その農園でとれたコシヒカリから作られた糀を主役にした食事やスイーツが食べられる。二階には『一生モノ』をコンセプトにしたアパレルショップも併設している。
小さな小屋のように見える店は入ってすぐのエリアと奥のエリアに分かれていて、この日は入口の方の1名席に座った。
3種類ほどのランチメニューから、唐揚げの定食を頼んだ。ドリンク付きで1,980。
ドリンクも糀が主体のメニューが主で、甘糀のバターアップルというホットドリンクにしてみた。
お店について、メニューについて、そして運ばれてきた料理について、店員さんがひとつひとつ細かく説明してくれる。
内心「長いなあ、早く食べたいなぁ」と思ってしまうが、まあ、これも含めて楽しむのが正解なのだろう(笑)。
それに、これは身体に良いものです と言われ、これは身体に良いものなんだ と思いながら食べる方が、より心身に効く気がする。
しっかりと噛んで、ゆっくり味わいながら食べようという気持ちになるものだ。
身体に良い食事を美味しくいただきながら、ここ数日忙しさにかまけて自分の食事がおろそかになっていた事を思い出した。
席と面した窓ガラスから建物の裏庭を眺めることができ、小さな裏庭は、こちらも竹林に囲まれている。
報国寺と言い、今日は竹の日だなぁなどとぼんやり考えながら、濡れそぼった葉っぱの隙間から時折しずくがしたたり落ちるのを眺めていた。
雨の日が似合うお店だと思う。
お昼の後は一条恵観山荘に行くつもりだったけど、降りが激しいので諦めた。また次の楽しみに。
傘をさしながらゆっくり歩いて、駅まで戻った。
心が静まる報国寺、ほっとする明王院、身体の中をリセットする糀カフェ、
知らぬうちに疲れが溜まり、少し立ち止まりたいと感じていたようだ。
そんな時に無意識にチョイスしていた散策コースだと周ってみて気付いた。
さすが鎌倉は懐が深い。
あいにくの雨にも、少しひと息つきなさいと言われているようだった。
鎌倉駅から浄妙寺方面に歩いてお寺とランチをゆっくり堪能し、4時間、約7キロ。