極楽寺の丘の上に建つ、 ラ・メゾン・アンシェンヌ。
鎌倉に数多くある古民家カフェの中でも、特に記憶に残るお店です。
鎌倉の大仏こと高徳院や紫陽花の有名な長谷寺がある長谷駅から、1キロもないくらいの距離の極楽寺駅。
歩いて10分ほどですが、長谷周辺の雑踏やにぎわいとは対照的に人も少なく静かです。
長谷から極楽寺にかけては大好きなドラマの影響もあり、特に好きなエリアです。
観光地として有名なお寺が多く、海が近く、山の緑も近く、かなり贅沢で羨ましい。
しかし2、3分歩けばコンビニがある生活に慣れている身としては、少し不便そうにも感じてしまいますが。いや、鎌倉に対してそんな感想おかど違いですね。
そもそも夜9時以降に鎌倉に行ったことないけど、どんな感じだろう。いつかペーパードライバーを卒業して見に行きたいです。
そんな、夜には真っ暗になりそうな極楽寺駅の近くにあるのがラ・メゾン・アンシェンヌです。
カフェに行くのが好きなので、『一度行ってみたかった店』はたくさんあります。
でも、その中でまた行きたくなる店、過ごした時間が心地良く記憶に残った店、というのは限られてくる。
「空間が好き」「美味しかった」以外に、訪問するのに頑張らなくて良い(わざわざ予約したり並んだり空いてる時間を狙ったり)、というのも大きなポイントだと思います。
ちょっとひと休みしようかなというタイミングでふらっと立ち寄って、ちょうど良くお客が入っていて、あいてるどの席に座っても外れがないというのも重要。
大きすぎもしないし小さすぎもしない。店員さんとのキョリが近すぎなく遠すぎない。急かされなくて寂しくもない。
ラ・メゾン・アンシェンヌはその通りのお店で、そもそも活気や気負いを良い意味で感じない極楽寺の土地にすごく溶け込んでいる。
その土地にしっくりと合ったお店というのは良いものです。
場所は駅から5分ほど。成就院と道路をはさんで向かい側に看板が出ていて、そこから階段をのぼってのぼって丘の上の小さな住宅地の中にあります。
白い洋風古民家の一軒家で、1階にアパレルショップが併設されています。
急な階段を上がって2階がカフェ。意外にも全国展開のアパレルの会社が経営しているらしいです。
前は普通のカフェフードでしたが、コロナ禍の間になぜかスリランカカレーのお店になっていました。でも、おやつとして従来のスコーンやベイクドケーキなどもありました。
食後だったので、アイスカフェオレを。
一時期流行った、ビンみたいなのに入ってるカタチ。けっこう好きです。
窓際にずらっと並んだカウンター席。そもそもお店が丘の上にあり、建物の2階がカフェなので、眺望が良い。
おもしろいのは、BGMが流れていないこと。
なので、聞こえるのは窓の外の空気の音と鳥の声と他のお客さんの話し声です。
今はセミの声が聞こえるのかな。
オーナーはイタリア出身の方で、都内中心に数店舗のカフェ経営の他にアパレルブランドのデザイナーでもあるらしい。
気負いがないようでいて計算されていて、こだわりがあるけれど客を緊張させない、周囲の土地と自然に調和した空間の居心地の良さ。
個人店とは少し違う洗練を感じる、そんなちょっといいお店です。