鎌倉に恋して

ひとりで、大好きな鎌倉にひたすら行きまくっているブログです。

灼熱の北鎌倉・閻魔さまに会える円応寺と、まるくて優しい円覚寺

 

「鎌倉の閻魔さま」こと 円応寺 は、鎌倉駅から北鎌倉駅に向かう幹線道路沿いにある。

車がびゅんびゅん通る道路沿いに、見落としそうなほど唐突な、急な階段。

 

 

この階段を上った先に、受付があって、拝観料を払う。300円に値上がりしていた。

とても小さなお寺だけど、他にはないオリジナリティがあって定期的にお参りしたくなる。

 

 

ご本尊の閻魔大王像と、周りをぐるりととり囲む「十王」像。

運慶作という言い伝えもあるこの閻魔大王坐像が、なんともユーモラスで優しくて心惹かれる。

子育てに1番煮詰まっていた頃、この閻魔大王像を前に泣いた事があった。

それ以来、円応寺の閻魔さまは恐れながらも私の心の友だ。

そういうつもりで拝むと、叱咤しているようにも見守ってくれているようにも見える。

手を合わせて目を閉じると、暗闇の中に温かさを感じた。

暑くて、暑くて、そんな日に円応寺はピタリとはまった。

だらだら流れてくる汗を拭きながら、今日も祈る。

「なるべく、なるべく、良い母でいられますように」

 

 

円応寺の後は、そのまま北鎌倉駅方面に歩いて、円覚寺 に向かった。

アスファルトの上でちょっとスマホをいじってたら、ありえないくらいスマホが熱くなって焦った。壊れたかと思った。

 

 

 

北鎌倉駅の目の前にある 円覚寺 は、鎌倉有数の大寺院だ。

創建は1282年、開基は鎌倉幕府の執権北条時宗。

北条時宗と言えば、元寇の時のこの国の代表者。元寇で亡くなった犠牲者を、敵味方なく慰めるためにこのお寺をつくったと伝わる。

キツかっただろうなぁ、と思う。帝でも将軍でもないけれど、むちゃくちゃ大変な時にこの国を背負って、32才の若さで亡くなった時宗。

その判断が正しかったのか愚かだったのか私には分からないけど、まあとにかく、キツかっただろうなあ。キツい人生だっただろうなあ。

と、思いを馳せる。背負ってる人に心惹かれる。

 

 

奥に奥に続く立地は北鎌倉のもう一つの大寺院、建長寺とよく似ている。

ただの個人的な印象にすぎないけれど、建長寺が四角く男性的な雰囲気がするのに対して、円覚寺はまるくやわらかい雰囲気がある。

北鎌倉に横並びする円覚寺と建長寺。

この2つを、私は心の中で勝手に、鎌倉のおひなさまと呼んでいる。

 

円覚寺が好きだ。

でも、ベストな季節ではなかった。

まるくて優しい円覚寺は、真冬に来た方がその良さが身に染みる。

優しさが。あたたかさが。

 

 

 

正面に向かって右側の高台、けっこうしんどい階段を上った先に、鐘楼がある。

その奥に 弁天堂茶屋 という見晴らしの良い休憩所があって、暑くて喉が乾いたので、ここで一服することにした。

 

 

何年も前に来た時と、少し趣きが変わっていた。

席は外のみで、さすがにこの暑さのせいか誰もいなかった。

何か冷たいジュースが飲みたくて、「飲むみかん」と「みかんスムージー」で迷って、何が違うのか聞いてみた。「飲むみかん」は濃いみかんジュースで、スムージーはもっとドロっとしてるとのこと。そりゃそうだよね!

「飲むみかん」450円を頼んだら、小さなトレイの上に、こんな可愛い飾りと一緒に出てきた。可愛いー。

 

 

みかんジュースは濃くて日本のみかんの味で美味しかった。

 

高台の上なので、景色がいい。対面の山を見渡せる。

子どもの頃から山を見るのが好きで、斜面の木々の連なりを眺めながら「あ、あそこに隙間があいてるな」とか「あの下どんな感じだろう」などと思っていた。

 

後から来た男性のお客さんが、かき氷を注文していて、その手があったか!とちょっと後悔した。 

冷房の効いた場所で食べれば100%寒くなって後悔するかき氷、もう何年も口にしていないかき氷。食べるなら今だった。むしろ今食べなくていつ食べるのだろう。

追加で注文しようかよっぽど迷ったが、さすがにみかんジュースの後にかき氷は過多、と思いやめておいた。

来年の楽しみにとっておくんだ!

 

 

弁天堂茶屋で涼んだ後おまけみたいに国宝の洪鐘を見て、階段を下り円覚寺の門を出る。

この夏はひたすら暑い環境を避けて過ごしていたので、こんなに汗をかいたのも階段をたくさん上り下りしたのも、久しぶりだった。

気持ち良かった。

円覚寺は真夏がぴったりではないけれと、この休憩所は案外真夏が良いかもしれない。

 

そんなこんなで、本日の鎌倉も良い日だった。