鎌倉で朝ごはんを食べたい。
これは、鎌倉に住んでいない私が住んでいないからこそ求めてしまう娯楽のひとつだ。
長谷で朝食にぴったりのお店を見つけた。
朝開いているお店が少ない鎌倉・長谷で、9時から営業しているカフェ、ベーシック。
江ノ電・長谷駅から駅から海に続く、藤沢鎌倉線道路の道沿いにその店はある。
駅から1分も歩かない。
一瞬見落としそうな小さな間口。
通りに立った看板に誘われて目を向けると、ひっそりと入口を開けている。
ドアをくぐると、店の方が感じよく迎えてくれた。
朝ごはんにちょうど良いホットサンドのメニューが3種類あって、プルドポークとチーズのホットサンド780円と、カフェラテ550円を頼んだ。
小さなお店だ。奥がキッチンで、テーブルは4卓。
グレーの壁と木材、赤色のソファ。
ドアの向こうの通りはすぐに海へと続いている。
長谷寺や高徳院とは逆方向なので人通りは多くなく、時折遠足の小学生や散歩途中の夫婦が通り過ぎる。
薄暗い店内と、海辺の町特有の真っ白な陽光。
ホットサンドは「ソースがたれやすいので、気をつけて食べてください」と添えて出してくれた。
カフェラテって適当に飲んでしまうことが多いのだけど、カップの取っ手まであったかくてすごく美味しかった。
ホットの飲み物を、熱い状態で出してくれるお店が好きだ。
熱々のカフェラテを飲んでホットサンドを食べていたら、「どこ行こうかな」と突然思った。今日行くところはだいたい頭の中で決めていたのに。
これは、体と心にエネルギーがわいたということだ。朝ごはんを食べて、力が充足して、余裕ができて、新しい可能性を考える遊び心がわいて、楽しめる。予定を変えるのも悪くないかもと思える。
朝食にぴったりのお店だな。美味しくて、ちょうど良くて、心地良い。ごちそうさまでした。
ベーシックをあとにして、駅の方に戻る。
美味しい朝食とコーヒーでみるみるパワーが湧いて、意気揚々と長谷寺に向かった。
先日痛い目にあった写経に早くもリベンジである。
さっそく優待券を使って、800円だった。いざ。
2回目の写経体験は、なんと1回目よりも成長していた。
とにかく逃げずに。逃げずに。逃げたい自分と向き合いながら堪えて堪えて。ごまかさないごまかさない。
相変わらずしんどかったけど前回よりは少しマシだったし、書き上げたものが初回より確実にマシになってた。
これは。成長が見える、嬉しい。
写経を終えてから、今日は余裕があるので境内をゆっくり拝観した。
なんでもある長谷寺。ピカピカと明るくてきれいな長谷寺。豊かさからもらえる幸福を実感できる長谷寺。今日もたくさんの人で賑わっていた。