長谷寺をすみずみまで拝観した後、のんびりと歩きながら極楽寺に向かった。
何度も何度も言ってしまうけど、この辺りは大好きなドラマ『最後から二番目の恋』のメイン舞台となったエリア。長谷から極楽寺に歩くだけでドラマに実際に出てくるスポットをいくつも辿ることができる。
1度、偶然にもロケ現場に遭遇!した事もある。(キョンキョンは想像よりももっとちっちゃくて細く引き締まっていて、中井貴一さんは想像よりももっとスラッとしていて小麦肌だった)
虚空蔵堂を過ぎて極楽寺切通を越えると、一気に極楽寺の空気になる。
極楽寺に来るとほっとする。海辺の町が山里の町の雰囲気に変わる瞬間が好きだ。
土地の名前にもなっている寺院、極楽寺の空気。鎌倉で1番好きな場所だ。
その極楽寺に、鎌倉で1番癒されるかもしれない、と思うカフェがある。
駅前の、線路と垂直に通る道を少し行ってひとつ目の角を右に曲がり、しばらく歩くと『ちっちゃなちっちゃなカフェです。』と看板が出ている。
Cafe みなづき。
小さな住宅地の中の焦茶色の一軒家。リビングとテラスを使った小さなカフェだ。
店内に4卓ほどとテラス席がひとつ。
中も温かみのある雰囲気で素敵だけど、柔らかな風に惹かれて入口の横にあるテラス席に座った。
昼ご飯を食べていなかったのでコーヒーとセットになったカレーランチ1,700円を頼んだ。
お店の方が「今日は気候がいいですね」とか、ちょうどいい塩梅で声をかけてくれて、初めてのお店に少し緊張してた気持ちが和む。
個人的にお店の方と距離が近いお店はあまり得意ではないのだけど、そんな感じもしなかった。
よそのお宅に遊びに来てるような親しみやすさもありながら、カフェとしてのよそ行き感もちゃんと併せ持っている。絶妙なバランス。
そしてこのテラス席が、居心地が良かった。ゆったりとした空気の中でのんびりと座って待つうちに、ゆるゆると心が落ち着いてゆくのを感じた。
鳥の声がする。植栽の葉っぱが木漏れ日の中で揺れているのが目に優しい。
車が1台通れる道を挟んで向かいのお宅の玄関が見えるようなごく普通の住宅地の縁側なのだけど、とにかく気持ちがいい。
周囲が丘陵に囲まれているせいか鳥のさえずりが絶えず響いて、癒し系のBGMとあいまってすごいリラックス効果。エステに来てるみたいだ。
店主さんが、これでも今日は鳥の鳴き声が少ない方だと言っていた。
いろんなテラス席でお茶をするけど、こんなに心地良く風がふく場所はあんまりない。
地形と建物と方角の絶妙な組み合わせだろうか。
こんなにダイレクトに癒されるお店はないかもしれない。
チキンカレー。野菜は無農薬のものだと添えて出してくれた。スパイスがよくきいていて美味しかった。
食事も作ってくれたお母さんも癒し系!
テラス席が寒くなる前のちょうど良い季節に来れて良かった。
私が入店したタイミンでちょうど帰るお客さんが、「とてもいい時間を過ごせました」的なことを言っていたのだけど、帰り際に「すっごく癒やされました!」と同じことを思わず口にしている自分がいた。
「そんなふうに言ってもらったら照れちゃう」と言うお母さんがまた可愛かった。
大好きな場所にいいお店があるのって嬉しい。
極楽寺は、数は多くないけれど素敵なお店が多いと思う。
これも土地のちからだろうか。