明月院 は、個性派の人気俳優のようなイメージがある。
太陽神みたいなハリウッドスターではないけれど、たしかな存在感があって一目置かれている。そんな(勝手な)イメージ。
鎌倉観光と言えば明月院を外せない!と感じる人多いんじゃないだろうか。
目立ちにくい場所にあるにもかかわらず、いつもたくさんの人で賑わっている。
紫陽花の季節なんて大変だ。境内地を歩くのも順番待ち。紅葉の季節も次から次へと人が来て、映えスポットには撮影順番待ちの列ができる。
そう、映えスポット。自らの推し要素がある。自己プロデュースだ。鎌倉の寺社で拝観料500円は高い方だと思うのだけど、参拝客は後を絶たない。
ちょうどまわりやすい規模の高低差のある境内で季節の美しい彩りを眺めて、真面目にお参りをして、記念に映え写真を撮って、雰囲気のあるカフェで抹茶も飲める。
祈りの場所なのだけど、観光客もちゃんと楽しませてくれる。
人気があるのもうなずける。だからこそ、混んでるだろうなと思うとちょっと足が遠のく。
いろいろ御託を並べたが、混雑の印象が強くて普段はあまり行かない明月院を久々に参拝した。
朝9時過ぎに行ったらまだ人は少なくて、ゆっくり拝観できた。
私が明月院の1番好きなところは、その周囲の町並みや風景だ。
この場所にあるというだけで来て良かったと思える。北鎌倉っぽさただよう一角。
それから、境内地右側の竹林。奥の切り立った岩壁に太陽の光があたって、まるでスポットライトで照らした舞台のように見えるところ。
小さいけれど神秘的な竹林。ここで何か演ってほしいとすら思ってしまう。
竹の存在感て何とも言えない。
地上に出ている部分は生きてるのか作り物なのか分からなくなるような静けさなのに、地下では凄まじい根をはっていると思うと。
まるごと緑一色なことも、その状態を一年中保っていることも。幹の表面が他の木とは一線を画す風貌で中が空洞なことも。いかにも涼し気で優しく感じるけど、植物の中ではどう猛と言えるくらいの生命力と繁殖力を持っていることも。ちょっとぞくりとする。
頭の中で擬人化すると、かなり個性的で謎めいていて気を許せない、それでいて色気があって魅力的なキャラクターになる。好きになったら、勝手に感情が振り回されてしまいそう。
相手が竹でも、それが鎌倉の竹だと思うとどんどん妄想が進む。
こちらは本堂の対面に作られた、枯山水の庭園。春には見事な枝垂れ桜が華やぎを添える。
季節を彩る草木が茂る境内地。
石を巻き込むように根をはり、立派に成長したモミジ。
悟りの窓と呼ばれ、これを目当てに長い列ができる。
1時間ほど拝観して、出る頃には続々と人が入ってきていた。
紫陽花の季節と紅葉が有名な明月院。
まだ早かったけど、紅葉なら鎌倉のどこでだって見れるのでま、いっか。
こちらは鎌倉一の竹林が有名な報国寺